ポーラ美術館

ポーラ美術館は2002年にオープンした新しい美術館である。箱根の山の中にあるため、地下に掘っていく作り方だった。どこかMIHO MUSEUMのような感じがする。MIHOほど大々的ではないが、自然に配慮しつつ山の中に作るというコンセプトは似ている。MIHOは外面が土のような色をしており、より自然と一体となる配色をしているが、ポーラは逆に存在感を出す色使いになっている。私が行ったのは冬で枯れ木ばかりだから、青を基調とした配色に違和感があったかもしれないが、新緑の春から夏は逆に自然のみずみずしさを表現できるのかもしれない。
 
入り口が2Fでエスカレータを下り、受付になる。1Fは受付、レストラン、ショップがある。B1F・B2Fが展示室となる。B1Fにはカフェがあり、1Fとは違うショップがある。1Fが箱根中心なら、B1Fはより美術に特化した配列となっている。B1Fの展示室は企画展示向け、B2Fは常設展示となっている。
 
今回の企画展示は、「コレクションにみるベル・エポック美しき時代?1900年前後の芸術」となっている。ポーラは印象派中心のコレクションとなっており、モネが中心となっているようだ。
 
常設展示は、印象派、日本の近代から現代の絵画、景徳鎮や古九谷などの焼き物、ポーラらしく化粧の歴史、などとなっている。後発だけにコレクションにやや物足りなさはあるものの、化粧品・化粧道具は一見の価値あり、といったところだろう。
 
全般的にコレクションに小粒さは否めないが、コレクションは統一されているので、入りやすい。今回、モネと同時代の小説家を融合させた企画もあり、観覧に幅がでるような仕組みになっていたのは、おもしろい。同時代を生きていた人々がその時代をどのように見ていたのか、興味をかきたてる企画だった。
 
ちょっと不満を示すと、カフェの椅子が男性には小さいこと、駐車場が有料だったこと、ぐらいか。あと、喫煙スペースもあるとうれしい。トイレは広くて清潔だし、美術館の中もきれいで、時間を忘れるくらいの快適空間だった。