2006シーズン総括

シーズン序盤から浦和、G大阪川崎Fの巴戦。
G大阪は前年の得点王アラウージョの退団による戦力ダウンを大分からマグノ・アウベスを獲得することにより補った。
G大阪は2年連続で得点王を輩出することにより、戦力維持を示した。
浦和は2002年のオフト体制から2004年のブッフバルト体制へ効果的に体制移行し、その集大成となるシーズンだった。
2003年ナビスコカップ優勝、2004年セカンド・ステージ優勝、2005年天皇杯優勝とタイトルを得ることでチームを大きく上昇させてきた。
川崎はJ1昇格から地道に戦力を鍛え、個々の力をチーム力に昇華させることで優勝争いを可能にするチーム作りをしてきた。
堅守の浦和、攻撃力のG大阪・川崎の構図はかわらず、結局、守備力が勝る結果となった。
川崎はリーグ最多の84得点、G大阪はリーグ2位の80得点と他を圧倒。
優勝した浦和は67得点でリーグ4位。
他方、浦和はリーグ最小の28失点、2位は清水の41失点だから、この少なさは圧倒的だ。
浦和の28失点は、1試合0.82点で、過去最高の値である。
G大阪は48失点でリーグ5位、川崎は55失点でリーグ9位だ。
そのおかげで、浦和は得失点差でリーグ1位となっている。
勝点で比べてみると、3強体制がより明白になる。
浦和、G大阪、川崎が第1集団。
清水、磐田、鹿島が第2集団。勝点60前後。
7位名古屋から15位甲府までが第3集団。勝点40点台で名古屋と甲府の差が勝点6。
降格が決まった福岡、C大阪、京都が第4集団。勝点20点台。
前年の成績から千葉や横浜FMC大阪地盤沈下が著しい。
千葉はナビスコカップ連覇も、終盤失速し、下位に低迷した。
特に前年2位との勝点差0の5位だったC大阪の凋落ぶりはなんなのか。
まあ、もともと成績が安定しないチームだけに下位低迷はありえても、降格とは。
磐田、鹿島は一時代を築いたチームだが、世代交代がうまくいかずに最後に帳尻を合わせた成績。
来年は厳しくも2年後は上位を狙える状況にあるだろう。
長谷川体制2年目の清水は躍動した。
昨年は不甲斐ない成績だったが、世代交代をする上で若手を起用した結果。
来年はリーグを席巻する力は蓄えられた。
他方、甲府はJ2の戦力ながらホームで圧倒的な成績を残し、残留を決めた。
G大阪、川崎をホームで下し、浦和には引き分けとホームの利を最大限に活用した。
ホームに強いという利を得ることで残留も可能というモデルを提示した。
降格3チームの勝点が伸び悩んだことで(いずれも勝点20点台)、15位以上の勝点が昨年を上回った。
昨年の優勝勝点が60であるから、今回はハイレベルだったのかもしれない。
今シーズン勝点60を上回ったチームは4チームある。
現段階では天皇杯も終わっておらず、ストーブリーグも始まったばかりなので、来季の予測はしにくいけれど、浦和、G大阪、川崎を中心にリーグが回るような顔ぶれだ。
昇格してくる神戸や柏は元J1だから残留が目標といってもあなどれない。
横浜FCは厳しいシーズンになりそうだ。