東欧遠征:チェコ戦

チェコ戦。

ヨーロッパ組から伸二と稲本、柳沢、川口が合流。
ヒデは股関節疲労で合流するもベンチを外れる。
先発したのは、伸二と稲本。
ハンガリー戦とは違い、中盤でタメを作れるようになり、ボールも回るようになった。
やはり伸二の存在が大きい。
伸二の必要性を十分に感じた。
伸二はボールをキープすることはもちろん、球離れの判断に優れている。
俊輔はボールをキープすることはできるけれど、球離れの判断力が伸二よりも劣る。稲本もネドベドを抑えることができていたし、伸二や稲本がベンチに下がると、ネドベドの動きが変わったのも、その現れだろう。

最終ラインは、ハンガリー戦が急造だったけれど、1試合を経て、バランスが良くなった。
この遠征が1試合だけだったら、次のときにこの経験を生かすことができるかどうか。
2試合あったおかげで、守備の成熟度を増すことができた。
チェコがコラーの1トップで高さ重視の攻撃をしてこなかったのも幸いした。
後半になると、チェコはパワープレーにチェンジするが、ハンガリー戦の教訓が生きていて、ハンガリー戦に比べて信頼性が増した。

チェコ戦は、引き分けで十分な結果が得られるだろうと予測していたが、先制してその得点を守りきったことは率直にうれしい。
ジーコは常々ヨーロッパ組優先を貫いているが、それを証明した試合だったような気がする。
昨年暮れの東アジア選手権ハンガリー戦は国内組のみ、今回のチェコ戦はヨーロッパ組が加わった。
国内組のみではアジアでは勝利できるが、ヨーロッパでは引き分けまで。
ヨーロッパ組が加わればヨーロッパで勝ち負けできる。このようなレベルがはっきりしただろう。だが、注意しなければならないのは、ヨーロッパ組でもレベル差が大きいということだ。
常時試合に出ている伸二やヒデはやはりクオリティが違う。
稲本はリーグ終盤になって出場機会に恵まれていないが、ある程度のクオリティは維持できている。
今回、ヨーロッパ組にとって幸いしたのはヨーロッパで試合が組まれたことだ。
アジアへ戻るよりも肉体的な疲労が少ない。

フォーメーションに目を向けると、今回の東欧遠征は3−5−2を採用した。
Jリーグでは3−5−2が主流となっている。
国内組のときは昨年暮れの東アジア選手権のように3−5−2で戦ったこともある。
ヨーロッパ組が加わるときは採用したことがない。
では新たなオプションを手にいれることができた。
守備面を考えると、守備陣が3−5−2を採用しているチームに所属していることをふまえれば、3−5−2というフォーメーションを採用することは妥当な判断だろう。
ただヨーロッパのチームに所属するMF4人を使おうとすれば3−5−2のフォーメーションは採用しづらい。
そこにジーコのジレンマが生まれただろう。
3−5−2のフォーメーションでチェコに勝った、という結果は次の試合で採用されるのだろうか。
6月にイングランド遠征が待っている。
インド戦を前にした直前の試合がこれで楽しみになった。