1st stage 第1節:横浜F・マリノス

当初、横浜国際にのりこむ予定だったが、職場のスキー旅行のため、ビデオ観戦となってしまった。
ビデオを見る前に結果を知っていたが、いざキックオフの笛をきくと興奮がピークを迎えた。エメと永井がセンターサークルに立ち、ゲームを始める瞬間は、なんとも言いがたい緊張を私に与えた。先般このコラムで述べたが、わずか3ヶ月であるにもかかわらず、その3ヶ月がいかに長かったかをこの瞬間に思い知らされた。

レッズの布陣は3月4日に行なわれたプレシーズンマッチ甲府戦と同じ3−3−3−1だ。サイドアタックを基本とする攻撃的布陣。対するマリノスは従来どおりの4−4−2だ。こちらもサイドアタックが基本となる。

前半、レッズは甲府戦でベールを脱いだ新フォーメーションで攻撃をかける。甲府戦より明らかにコンビネーションが良くなったが、両ウイングのポジションが低くなる傾向があり、エメが孤立するシーンが見られ、効果的とはいかなかった。マリノスはレッズの両ウイングが下がり気味であったために両サイドバックが上がることができ、時折レッズの背後を攻め立てる。先制点の安貞桓のシュートは見事。というか、昨年の清水戦でも安から似たようなゴールを決められていたから、厳しくいえば不用意な失点だったかもしれない。

後半は、新フォーメーションの形がくずれ、エメと永井の2トップのようになってしまった。ケガの功名じゃないが、なれたフォーメーションに変わってしまったことで、バランスが良くなった。エメのゴールはいるべきところにいたことで生まれた。

安とエメの二人がゴールをあげたが、いずれも彼ら自身がもつ確かな技術から生まれたゴールだった。両チームとも守備が破綻する場面はほとんどなく、拮抗したゲームになった。エメがコメントしていたように、昨年の覇者相手にアウェーで勝ち点を奪ったことは大きい。内容も悲観するものではないが、新フォーメーションからのスピーディなゴールがみることができなかったのは残念だ。3ボランチの守備と攻撃のバランスが若干悪かったのが新フォーメーションでゴールを奪えなかった一因でもある。3ボランチに位置する両サイドは攻撃と守備とに良質のプレーが望まれるし、対応できるスタミナも必要だ。暢久と平川にはそのスタミナがある。平川が上がるシーンがあったが、そのときはチャンスが生まれた。昨年と違うのは攻撃にかける人数だ。その分守備面での不安定さがでるのは仕方ないところだろう。この試合の失点シーンはロングフィードから安の個人技であった。高い位置をキープする3バックの広大な背後をどう守るのか。守備面での危険性は高まるが、この試合を見る限り、あまり不安はなさそうだ。

次節は、破壊力抜群のセレッソ大阪。昨年のセカンドステージは完勝だったが、ファーストステージは3点リードから6失点して逆転負けを喫している。セレッソは攻撃面では破壊力があるが、守備面はもろい。サブの選手のレベルもあがってきたので、初めからガンガン攻め込み、ホーム開幕戦を勝利で飾ってほしい。