第8節:対ベガルタ仙台

戦前に予想していたマイナス要素をふきとばす一戦だった。
過去を振り返れば京都の17連敗を止めたのも浦和。
今季、立ち上がりや終盤での集中力を欠いた失点が多い。
もはや勝つしかない仙台相手に苦戦するという予感がある程度あったことは間違いない。
いつにも増して立ち上がりから素早いプレスを仕掛け、主導権を握った。
前半の中盤で仙台の流れになっていたところを暢久のインターセプトから永井のゴールで前半は決した。
永井のゴールのあとは理想的なポゼッションプレーで、セーフティに保つことができた。
後半、前半から坪井が佐藤のマークをずらされる場面があったが、そのミスから失点した。
後半は前半で2点差ついている段階で猛攻を仙台が仕掛けてくることが予想されたにもかかわらず、
守勢にまわってしまった。
坪井は最近マークをずらされる場面が目立つが、仙台戦を見て思ったことは、マンツーマンで相手と
対峙しているわけだが、その相手だけを相手にしているのではなく、自分の守備ゾーンを広げているように思う。
坪井、ニキ、ネドがポジションを変えながら守備ゾーンを互いにカバーしているように見えるのだ。
マンツーマン・ディフェンスなのだが、ゾーンに近い守備網がひかれているように思われる。
それゆえ、坪井の守備ゾーンが広くなり、マークをずらされるシーンが生まれるのではなかろうか。
いわば、坪井はディフェンダーとして成長する過渡期にある。
マンツーマンの相手はいても、相手を抑えつつ、守備ゾーンを拡大する、という難度の高いレベルに到達しつつあるのではないか。
隙あらば、前線へドリブルし、攻撃の起点となるようなプレーも見られるようになり、新たな面を見出しつつある。
その失点から、仙台は息を吹き返すが、達也のビューティフルゴールで試合は決した。
永井のスピードあるドリブルから、PKを獲得し、小村が退場した影響で3バックとなり、
浦和はサイドを自由に使えるようになったことで、暢久、山瀬のゴールが生まれた。
まさに完勝。
従来なら、苦戦するも、相手のトドメを刺すゴールを奪う芸当ができるようになってきた。
苦しい試合では勝点1を上積みできる引き分けに持ち込めるようになった。
ようやく成長の軌跡が数字として現れるようになってきた。
昨年の8節は8連勝で首位に立っていたが、その後は6連敗。
今季はそのような不安定な試合をしないような内容ばかりだ。
順位が上のチームとはまだ対戦を残しているチームがある。
そこで勝てるようだと、優勝も夢ではなくなる。