日本対スウェーデン 観戦記

今回のみどころは試合前には思いつかなかった。仮想ベルギーとして戦ったノルウェー戦では守備の不安を覗かせ、また、攻撃面でも決定力の不安もみせた。そのノルウェー戦で得たものをどのようにスウェーデン戦で活かすか。ただ、この問題はノルウェー戦で初めて明らかとなったものではなく、従来からいわれてきたものであった。
 
森岡が復帰し、フラット3の中心に入った。相手の攻撃陣のポジションによってラインを上げ下げするなど読みの良さが見られた。ボランチに入った戸田とのポジショニングはよく、一定の間合いをキープできていた。フラット3の守備の基本はオフサイドトラップを仕掛けることである。ラインを押し上げて中盤をコンパクトにし、中盤での守備を重視する。ただ、ホンジュラス戦やノルウェー戦のような2列目からの飛び出しに対してはほころびを見せるときもある。森岡が復帰したことで、そのほころびは少なくなったようだ。森岡と戸田の清水ラインで中盤のスペースを埋める。2列目の飛び出しをケアするために最終ラインを下げることもある。最終ラインをフラットに保ちつつ、2列目の飛び出しをケアする、ということができていたように思う。
 
今回は小野を右に配して左に服部というパターンが試された。だが、小野を右においても、そのすぐ前に森島がいるため、役割がかぶってしまう。2トップならその心配はないが、1トップならば、従来どおり小野を右に配した方がよいのではないか。それゆえ、小野は守備的なポジションを強いられ、攻撃面での見せ場はほとんどなかった。小野の体調が悪く見えたこともあるかもしれないが、フォーメーションの問題もあったと思う。
 
課題の攻撃はどうか。日本のシステムでは、相手がラインを高く保っているタイプがやりやすい。中盤でボールを奪い、相手ディフェンスラインの裏を狙う攻撃が日本の持ち味だ。しかし、4バック、あるいはディフェンスラインが低い場合、このディフェンスを崩すには左右にボールをまわし、あるいはサイドをえぐるパターンが良い。1トップよりも2トップにし、両サイドに展開できるパッサーが両サイドを利用する。2列目からのシュートも効果的だ。だが、前半ではこの展開は中田英ミドルシュートしかなかった。既述した小野の攻撃参加が少なかったからかもしれない。後半は左に三都主、右に明神とし、三都主の突破力を攻撃に活かしたことからゴールを奪うことができた。
 
思うに、1トップにする場合、左に小野がいる場合は森島でもよいが、右に小野を配する場合は左の1.5列目に三都主をおく方が良いのではないか。そうすれば三都主の裏にできるスペースを服部が埋めればよい。右のボランチには戸田がいるので問題ない。相手布陣の読みがカギとなってくる。相手がどちらのサイドをより攻撃的にしているのか。それによって日本のフォーメーションも変わってくる。
 
ベルギー戦までのこり1週間。ベルギー戦は最低でも引き分け、先制されないことが条件だ。