ナビスコカップの見方

Jリーグディヴィジョン1(以下、J1)が第7節で一時中断し、5月上旬にナビスコカップのグループリーグが行なわれる。この背景にはワールドカップがあることは周知のとおりである。ナビスコカップと平行して、日本代表の試合がいくつか組まれている。そのため、ナビスコカップのグループリーグには日本代表の選手は物理的に出場できない。そのため、チームによっては主力不在となることもある。
 
他方、忘れがちなのが、5月の連休にU−21の代表合宿が組まれていることである。この代表合宿に参加する選手も、また、ナビスコカップには出場できない。
 
これは何を意味するのか。主力不在のチームが続出することを意味する。たとえば、磐田や鹿島、マリノス、清水といったチームは日本
代表にチームの主力選手を送り出し、レッズはU−21に主力選手を送り込んでいる。逆に、両方に選手を送り込まないチームをあるだろう。
 
主力不在のチームが続出することにより、メリットもデメリットも生じることになる。デメリットとしては、まず、世間の関心が薄くなることがあろう。チームの花形選手がいないだけで客足もにぶることもあろう。
では、このデメリットをどう生かすかがポイントになる。デメリットをどうメリットに転化させるか。これは各チームの問題に直結する可能性が高いだろう。2002年はワールドカップが日本でも開催されることになっており、世論の注目はほぼワールドカップに向けられている。J1もそのワールドカップのためのリーグ戦という意識が高いかもしれない。3月・4月のJ1にはワールドカップに出場するかもしれない選手を見に会場に足を運んだ人々もいるだろう。
 
ここで、看過できない点は、日本代表あってのJリーグではなく、Jリーグあっての日本代表である、ということである。Jリーグでの活躍があってこそ、日本代表の道が開けるのである。Jリーグの活性化が日本代表の命運を握るといっても過言ではあるまい。5月上旬に日本代表とJリーグが同時に開催される、ということは、Jリーグ各チームの姿勢が問われることにもなろう。地域密着をうたうJリーグで、日本代表の試合の有無にかかわらず、どれだけJリーグ各チームが地域に浸透しているか、が問われるということである。いいかえれば、どの程度チームが地域に根ざした経営をしてきたか、どれだけサポーターの核となるグループが存在するのか、の試験になるはずである。Jリーグ発足から10年という月日が流れた。Jリーグの信念がどれだけチームに咀嚼され、実践されてきたか。いわば、中間試験というべき大会になるであろう。そういった意味で、かなり重要な期間であると思う。