天皇杯3回戦観戦記

天皇杯3回戦、浦和レッズヴァンフォーレ甲府戦を見に行った。久々の大宮サッカー場。木枯らしの吹き付けるメインスタンドでの観戦。ちょうどメインスタンド側が日陰となり、寒さが身にしみた。
 
前半はコンディションがよいのか、甲府の動きがよかった。早めのプレスとチェックで中盤を活性化させ、中盤でコンパクトなサッカーができていたので、最終ラインは上がり気味の布陣。レッズは相手のプレスに負け、ラインをどんどん下げざるをえない。甲府の9番藤田が中盤から前線にかけて、動きの遅いレッズを尻目に自由自在に動き回る。甲府は何回か決定的なチャンスを作り出すが、井原や路木のベテランが経験の強み(読みやカバーリング、体の入れ方など)を生かし、寸前で食い止める。
 
前半の途中からようやくレッズの動きもよくなり、何回か決定的なチャンスを作り出すも、甲府GK川北のファインセーブに阻まれる。ただ、レッズは、中盤でボールを奪うも、サイドの上がりや2列目の上がりが遅く、中盤で時間がかかりすぎだった。サイドへボールを回しても、中に人がいないため、スピードを活かしたプレーができない。全体的にレッズは動きが遅く、判断も遅かった。
 
後半に入り、レッズの中盤からの守備が効きはじめ、中盤での展開力が回復した。そのカギとなったのがアリソン。前半から積極的な上がりをみせていたが、後半に入り、ボールにタッチできる回数が増え、キレのあるプレーが目立ってきた。甲府の最終ラインの裏をつくパスが増え、スピードのあるトゥットを活かす形が出来始めた。アリソン・トゥット・永井の三角形が機能しはじめ、ボランチの阿部・鈴木も落ち着きをとりもどした。こうなると、浦和と甲府の力の差がでてしまう。阿部−アリソン−FWの攻撃の軸が定まり、決定的チャンスを何度かつくる。50分にアリソン、74分にはダメ押しのトゥットのゴール。最後まであぶなげがなかった。
 
4回戦はヴィッセル神戸。リーグ戦では1勝1敗。神戸で活路を見出した岡野もいる。悲願のタイトル奪取に向け、負けられない一戦だ。せめて埼玉スタジアム2002まで勝ちぬいてほしい。今年はトーナメントにも恵まれた形だ。元日を国立で迎えたい。