第2節:対セレッソ大阪

今回は第1節と比べ選手交代に明暗がでた。
この明暗は相手の守備システムに起因する。
第1節の名古屋はディフェンスラインを高めにおき、GKとDFの間にスペースがあった。
このスペースを活用するには、ラインの裏を突破するスピードが必要となる。
だからこそ、トゥットや岡野の縦への突破が必要だった。
しかし、今節はディフェンスラインがそれほど高くなく、GKとDFとの間にスペースがそれほどなかった。
これはドリブルや短いパス、サイドからの崩しが必要となる。
この点、先発が永井だったのは理にかなっていると思う。
ただ、前半は相手に動きを読まれたり、中盤でタメがつくれないため、攻撃の型ができていなかった。
サイドからの崩しがあまりなく、中央突破が多かった。
中盤でボールがキープできないため、FWのトゥットが下がり気味になり、スピードを生かした攻撃ができなかった。
後半、アドリアーノを投入してから、攻撃に厚みがでた。
アドリアーノが中盤でボールを支配することができ、サイドの上がりやFWのスピードを生かす攻撃ができるようになった。
それに拍車をかけたのがミスターレッズこと福田正博の投入である。
サポーターが待ち望んでいた福田の出場。
駒場の雰囲気が激変する。
福田という選手がきっと何かをしてくれる。
現状を打破してくれる。
そんな期待を十分にかなえてくれた。
福田投入後の2点は象徴的であった。
1点目は福田投入数分後のコーナーキック
福田が定位置に居座ることにより、ファーサイドのマークが薄くなる。
安部のキックもよく、アドリアーノの頭に合わせてゴール。
福田のネームバリューやPAでの動き、まさに福田一人でセレッソを翻弄し、このゴールにつながった。
さらに福田の投入により、セレッソディフェンスが中央にかたまる。
福田の動きや位置どりがDFの集中を中央にひきつける。
そうなれば、サイドはがらあき。
左で安部がタメをつくり、トゥットが左から崩す。
福田の左から中央へのドリブルからシュート。
雨の影響でピッチやボールが滑りやすい。
福田のシュートをGKがハンブルする。
それをアドリアーノがヘッドで押し込む。
福田の投入からわずか10分たらず。
完全に流れを変えた。
延長は両チームとも決定機は数度あったが、ゴールまでいたらず。
小野と岡野の交代はよくなかったようだ。
小野を下げたことで、右にスペースが生まれ、DFとFWとの間が広がり、パスがつながらなくなったからだ。
失点の場面はまさにレッズの負の面がでたように思う。
前半・後半ともに開始数分。
集中力が切れている、いわゆる「魔の時間帯」に失点した。
古巣レッズへの厳しい返礼をした大柴のモチベーションが大柴の得点を生んだ気がする。
得点は大柴得意のパターン。
尹(イ・ドング)の動きも冴えていた。
とくに、レッズが中盤を構成できていないときは、かなり脅威であった。
次節は、アビスパをホームへ迎える。
次こそ勝利の美酒を味わいたい。