J2最終戦に思う

昨日、J2の最終節が行なわれ、浦和レッズサガン鳥栖にVゴール勝ちし、J1復帰を果たした。
 
昨年の11月27日に勝点同点も得失点差1によってJ1残留ができなかった。この1年は非常に長い日々であった。金銭的には降格1年目はJ1と同じようにJリーグから分配されるが、精神的に辛いものがあった。戦力は昨年とほぼ同様というか、鹿島から安部と室井を獲得しアップした感はつよかった。しかも、名門ということもあり、J2では圧勝、優勝という見えない確約みたいなものがあったことは否めない。
 
直接対戦し、データがない序盤のころは前評判どおりの戦いをみせた。しかし、中盤に入ると、研究され、苦戦が続く。その苦戦が相手によるものではないことは徐々に明らかとなった。選手の故障の多さに加え、選手起用・戦術の疑問が噴出した。8月に行なわれたサポーターとチーム首脳との会談でもそれは表面化した。
 
10月に横山謙三GMが総監督として現場に復帰し、ブラジルからアジエルを獲得した。システムを4-4-2から3-4-2-1に変更し、レッズの持ち味であるサイド攻撃、スペースへの突破などを生かせるシステムに変更した。ただ、クビツァやアジエルはスピードを生かすというよりも、そのテクニックで状況を打開する選手であるため、なかなか周りの選手とのコンビネーションが生きない。再三とレッズのコラムで述べたような状況になったのは、11月。ようやくクビツァを先発から外し、大柴が起用され、攻撃にスピード感がでた。引いて守るチームに対しては1トップで中盤からミドルシュートを狙うというのは間違いないが、ただ、ディフェンスラインの裏にスペースがあるなら臨機応変に2トップで裏を突くという戦術も必要であった。選手交代が後手後手にまわった感がつよい。ただ、横山総監督になってから、選手の役割を明確化し、これが徐々にチームを良くしていったことは評価できる。
 
J1復帰は当然のことであるが、ただ、その過程は非常に辛く、長い1年であった。サポーターの目はJ1復帰が目標ではなく、J1で優勝することに向いている。来年もスピード感あふれる攻撃を見られることを祈りたい。