古馬中長距離路線の展望

この路線が一番盛り上がるようである。この路線は天皇賞(秋)ジャパンカップ有馬記念と伝統のあるレースが続き、最高の盛り上がりをみせる。最近はこの路線に4歳馬が出走することが多くなったが、4歳にとって、古馬の壁は大きいようである。天皇賞(秋)バブルガムフェローが優勝するまで4歳による優勝はなかった。4歳は天皇賞より、菊花賞という路線が多かったのもあるが、最近では馬の性質によって無理に3000mの菊花賞にいくのではなく、2000mの天皇賞に向かうという例が多くなってきた。
今年は4歳牝馬・スティンガーが史上初の天皇賞制覇を目指して出走してくる。毎日王冠では予想以上の走りをみせたが、実際、天皇賞では厳しいだろう。
天皇賞には春を盛り上げたスペシャルウィークセイウンスカイメジロブライト天皇賞組が出走する予定である。しかし、スペシャルの出足はあまり良くなかった。前走の京都大賞典は7着と期待を大きく裏切った。いくらジャパンカップが目標としても、あの内容は評価できない。その一方で、セイウンスカイの復帰戦は内容の濃いものであった。札幌記念では逃げずに後方から差しという新戦法であった。しかし、これは結果論であったような気がするのは私だけだろうか。久々の競馬でスタートがあまりよくなく、結果的に後方からレースを進めざるをえなく、差し切ったのもまくりが決まったからである。差し切れたのも平坦コースだっからだ。前半約60秒の展開で、上がりが35.9秒ということは、全体の時計も2分ちょうどぐらいであるから、決してレベルの高いレースではなかった。相手も重賞ウイナーがそろったが、セイウンスカイの格で押し切った感が強い。しかし、この一走は大きい。楽な相手で一叩きできたことはマイナスにはならず、天皇賞をにらむ意味でよいレースであった。
こうした有力馬が順調な滑り出しをみせる一方で、ツルマルツヨシメイショウオウドウといった上がり馬の台頭も忘れてはならない。怪物グラスワンダーに鼻差であったが、その能力を一線級相手に開花させたメイショウオウドウは先の有力馬にとって脅威となるだろう。メジロブライトの追随を許さなかったツルマルツヨシの根性は侮れない。
この5頭に並ぶのが遅れてきた良血・クリスザブレヴと完全復活をアピールしたホッカイルソーだろう。とくに前者は待ちに待った登場である。この2頭も天皇賞で波乱を呼ぶ可能性が高い。
天皇賞に続くのがジャパンカップである。凱旋門賞2着のエルコンドルパサーの出走がなくなり、また、デイラミブリーダーズカップに出走するそうで、有力外国馬の出走がなさそうだ。そうなると、国内の出走馬に目が行く。現段階で出走を表明しているのが毎日王冠を制したグラスワンダースペシャルウィークである。この2頭は当初からジャパンカップを目指して調整されてきた。この2頭を中心にジャパンカップは動くであろう。