ナビスコカップ予選リーグ第1節:大分トリニータ

駒場で観戦。初のバックスタンド指定席。メインスタンドの指定席とは違った雰囲気でとまどうことが多かった。声援も少ないし、なにをしに来たのかわからなくなるような感じだった。のんびり、休みの日にどこにもいくところがないから、駒場にきてみました、というような雰囲気すらあった。バックスタンドの2階はいつもあんな感じなのだろうか。ずっと選手の不満ばかり言っているおばさんには辟易した。ゴールが決まっても喜ぶ様子もないし、ずっと不満の独り言。自分は、駒場埼玉スタジアムではメイン指定がほとんどだから、とまどってしまった。

さて、自分の後ろにいた不満おばさんじゃないけど、試合内容も不満ばかりが目立つ結果となった。一つ目の不満は、戦う集中力をもって試合に臨んでいないように見えたこと。今季、セットプレー、特にコーナーキックからの失点が目立つが、1失点目も同様だった。集中力がないのか、マークのずれがみられる。全体的な守備がゾーンディフェンスに変わったのはわかるが、セットプレーは基本的にマンマークだ。人をみなければならない。マークすべき相手がきちんと把握できていないのかもしれない。集中力という点に付け加えるなら、パスミスも多い。特に中盤でインターセプトされてカウンターをくらう場面がままあった。パススピードもあるが、全体的にボールをもらう際の動き出しに問題がありそうだ。

二つ目は、選手間のコンビネーションがあっていない、ところに難がある。日本代表を多くかかえるチームの難しさなのだろうか。A代表、五輪代表が2月から始動し、チームの方針を浸透させるためのキャンプに代表がほとんど同時参加できなかったことがあげられよう。昨年と違う、代表とも違う役割を与えられ、さらにチームとして熟成度が低いこともあり、互いの意思疎通がはかられていない場面が多くみられた。マリノス戦やセレッソ戦は五輪代表が不在だったが、A代表組は2月18日のオマーン戦終了後から合流していたので、約20日間の準備ができたためにコンビネーションや戦術の浸透ができた。今回は、A代表が不在で五輪代表が加わる、という状況だった。五輪代表が合流したのは、オーストラリア合宿の数日と、3月19日からの1週間だけである。トゥーリオがケガでのぞくと、山瀬は先発を外れ、達也と啓太が先発も、周りの選手とかみあっていない場面が見られた。コンビネーションを図るためにはある程度の時間が必要なので、長い目でみなければならないが、4月の下旬にも代表の招集があり、コンビネーションが良くなってきた時期に再度不在という場面がくるだろう。ナビスコの日程は、代表選手が不在のときに行なわれるために厳しい戦いが待っている。

三つ目は、二つ目の難しさと関係するが、ポジションが変わったときにマークの受け渡しや役割を把握できていないことが指摘できるだろう。今回、坪井が不在ということもあり、坪井のポジションに平川が起用された。平川はどのポジションでもできるユーティリティな面をもつ選手だが、レッズに加入してから中盤のサイドを重点的にプレーしてきたために最終ラインの仕事になれていない面がみられた。トゥーリオニキフォロフがケガをし、センターバックにも本職ではない内舘が担当している。すなわち、この試合で本職のディフェンダーで最終ラインを担ったのは室井だけという状況だった。そういう意味では平川の出来が悪くともそれほど非難することはできない。それよりも、ボランチカバーリングにも問題があったように思う。3人の並びが3列できるため、それぞれが受け持つ範囲が広がり気味になる。両サイドがサイドに寄り過ぎると中央の選手が受け持つ範囲が広がりすぎてしまう。バランスが肝要なのだが、中盤でバランスを崩すと最終ラインで破綻をきたすことが多くなってしまう。そうした場面がこの試合にまま見られた。

まあ、レッズの自滅に近い面があったが、大分の出来もよかった。ボールに対する寄せ、集中力、戦う姿勢、いずれもレッズを上回っていた。ギドが負けるべくして負けた、とコメントしているが、実際その通りだった。次の試合での奮起に期待したい。