1st stage 第2節:セレッソ大阪

埼玉スタジアムで観戦。
土曜日は雨だったが、試合が行なわれた日曜日は晴れた。この時期の雨の観戦はつらい。3月の雨の日に観戦したことがあるが、寒さで雨が途中で雪に変わった。

セレッソというチームはあまりにも攻撃的すぎて、大量得点大量失点という試合をしばしば行なってしまう。大味な試合になる傾向にある。瞬間的な爆発力がすごい。昨年の長居で行なわれた試合もそうだ。レッズが前半早々に3−0とするが、そこで意気消沈することなく、6−4とひっくりかえした。また、昨年のガンバ戦でも4?4という試合をレッズはしている。どうも得点をとっても相手が意気消沈するまでに失点しなければ勝利を得ることができるが、そうでない場合は敗戦に近い結果となる。仙台戦がそうだった。

今季のレッズはどうも違うらしい。らしい、というのはまだ試合を2試合しかしていないからだ。マリノス戦はチームのエースがとるべき場面でゴールを奪い、拮抗した試合だった。当セレッソ戦では、おぼろげながら、求めようとしている攻撃的サッカーを表現した。セレッソは失点を考えずにゴールを奪うことを執念としている。ゴールを奪うことに重心を置きすぎているといっていいかもしれない。それゆえ、ゴールが相手よりもおおければ勝つし、少なければ負ける。それゆえ、相手がどこであろうと臆することはないし、非常にやりにくい相手だ。だから、この試合はセレッソよりも多くのゴールを奪えば勝利することができる。あたりまえだが、90分間ゴールを奪いつづけることが求められる。

そういう意味では、この試合の展開は理想的だったかもしれない。前半の半ばまでは、レッズの両サイドが封じられ、苦しい場面があり、コーナーキックから失点してしまう。この失点でふっきれたのか、両サイドウイングがポジションを高めにおくことで、攻撃の脅威がアップした。同点の場面は、永井が高めの位置から勝負した結果うまれたものだ。永井が暢久よりも低い位置で慣れないディフェンスをしているのを見ると、残念におもえてならない。ぎこちなさが現れるし、精彩を欠くことが多い。同点の場面を演出したことで、本来の永井がよみがえってきた。

昨年と違う点が見られたのが2点目のシーンだろう。右ボランチに位置する暢久がインターセプトし、そのままペナルティエリア付近までドリブルし、長谷部へラストパス。長谷部は落ち着いてゴールを決めた。昨年であれば暢久はあそこまで上がっていないだろう。オフトはディフェンスに関してリスクを負わないことを主眼としていたが、ギドは攻撃する上で守備はどうあるべきか、を考えているようだ。ボランチが3人いるから、暢久が上がっても、ボランチ残り2人で守備ししても、カウンターに対応できる人間が5人いるから、それほどリスクを負わなくてすむ。3−3−1−3というフォーメーションだから、どうしても守備にリスクがつきまとうが、前線から中盤の人数が多いから、前からいかに守備できるかが肝要となる。

2失点したが、ディフェンスを破綻させられたものではないし、中盤の守備から4得点している。ここ2試合とも先制されているから、得点を奪うまでにどれだけ攻守のバランスをとれるかが鍵となる。今季からの戦術だから、完成度が低いのはしかたがない。第2節と第3節の間にナビスコカップの予選が組み込まれたことで、リーグ戦へ向けてのコンビネーションの成熟度がアップするのは確実だろう。3月27日の大分戦は、A代表組が不在で、五輪代表組が復帰する。五輪代表組が不在の際に、チームに残っていた選手たちが結果を出して監督の信頼を得ている。競争が選手の成長を飛躍的に伸ばしている。期待の長谷部は、五輪代表に選出されてもおかしくないレベルに到達してきている。今年も昨年以上に長谷部に注目したい。