浦和レッズ2004プレビュー

開幕まで残り1日となった。
昨年12月の天皇杯以来となる。
たった3ヶ月であるけれど、その時間はあまりにも長く感じた。
最初の1ヶ月くらいは選手同様、休養期間ととらえればそれほど長いとは思わなかった。
2月1日に「REDS FESTA 2004」があり、そこに出かけたくらいから禁断症状は顔を出し始めた。
「REDS FESTA 2004」は、ご存知のようにTBSのスーパーサッカーのバナナキングコンテストが行なわれ、ギドが新記録を出す場面で始まった。
また、チームの始動にあわせて大原の練習場もリニューアルし、練習を見るのに最適な環境が生まれた。
まだ行ってないが、早く行きたい気分でいっぱいだ。
2月は代表戦が組まれ、サッカーを見るにはことかかなかったが、どうも、レッズじゃないと気分が高揚せず、A代表の不甲斐なさには耐え切れない。
気分がのってきたのは、アテネオリンピックアジア最終予選
彼らは、厳しい条件の中で、UAEラウンドを首位で折り返した。
レッズの選手もチームの軸として機能し、Jリーグでの活躍を約束するような気にさせてくれた。

UAEラウンドの中日の3月4日にプレシーズンマッチが組まれた。
対戦相手はヴァンフォーレ甲府だ。
甲府は、昨季チームの成熟度が上がり、上位をうかがう位置までレベルを上げたチームだ。
残念ながら、テレビ観戦だったが、それでもチームの目指すものが理解できた。
アデレード・キャンプで行なわれていた練習試合のリポートを見ても、いまいちイメージがわかなかったが、この試合でイメージをはっきりとさせることができた。

前半は、チームの完成度の違いだろうが、甲府が攻勢であった。
体があったまり、実践におけるチームの有機的な動きが見えるようになってからは、レッズが試合を支配し、永井と岡野のゴールで勝利した。

この試合の基本フォーメーションは、3-4-3である。
基本的なイメージは、オフトの勝負をかけた3トップとほぼ同じといえるだろう。
オフトよりもよりサイド攻撃を意識したフォーメーションである。
3バックは室井・内舘・坪井。
中盤は、ボランチに酒井、サイドハーフに暢久と平川、ウイングに永井とアレックス、司令塔が長谷部。
センターフォワードにエメ。
最終ラインは昨年来のリベロ+スイーパー2人の構成。
ボランチは1人だが、サイドハーフボランチの守備を軽減させるために守備面をカバーする。
また、サイドハーフは両ウイングのスペースを消す動きも求められる。
中盤の構成は6人になるが、両ウイングの動きがほぼ攻撃に比重がおかれるため、事実上4人になる。フォーメーションだけみれば、エメの1トップで、残りの9人で3×3のマスを作ることになる。
サイドを重視した縦の動きを意識した配列となる。

ここでポイントになるのがサイドハーフの動きだ。
サイドハーフは、ウイングの上がったスペースを埋める攻撃の動きと、1ボランチの守備の軽減、守備の際の3バックと1ボランチのスペースを埋める動き、の3つの仕事が生まれることになる。
甲府戦では、左サイドの平川とアレックスのコンビネーションが機能しないシーンが見られたが、時間を追うごとに機能し始めた。
両ウイングが守備面に重点が置かれるようになると、エメが孤立してしまい、攻撃へのスピードが遅くなってしまう。
インターセプトや前線からの守備が増えなければ攻撃面でのメリットが生まれないだろう。
逆に、このフォーメーションが生きれば、縦のスピードが加速し、サイドを起点としたダイナミックな攻撃的サッカーが見られることになろう。

昨年来、長谷部のことを再三とりあげているが、今年もずっと成長した彼の勇姿をみることができそうだ。昨年はボランチの位置でプレーし、山瀬のポジションを奪うところまでいかなかった。ただ、ボランチを経験したことで、守備面の貢献度も高くなった。昨年のワールドユースのメンバーには残念ながら漏れてしまったが、Jリーグでの経験が活きているようだ。今季は待望の司令塔の位置でシーズン・インし、攻守共々良質のプレーを見せている。リーグ戦でも良質のプレーを発揮していけば、オリンピック代表入りも夢の話ではなくなるだろう。オリンピック代表の山瀬もうかうかしてられないところだ。
無論、長谷部だけでなく、新加入選手も新天地での活躍を約束するようなプレーをプレシーズンで見せてきた。トライアウトで加入した梅田、復帰した野人・岡野、闘将・闘莉王、左サイド・アタッカー・三都主、新天地で捲土重来を期す酒井、などいずれもレギュラーを獲得できる選手ばかりだ。梅田、岡野、横山の3選手の加入でフォワード陣は激戦区だ。体調がもどれば代表クラスの永井、昨年来成長著しい達也、エース・エメ。競争こそ選手個々の力を上昇させる。この好例を今シーズンみせてくれるだろう。
開幕戦がクローズアップされているが、開幕戦も15試合のうちの1試合。されど、15試合約3ヶ月の短期決戦となれば、開幕戦での勝利の大きさは計り知れない。しかも相手は昨年の年間王者だ。私事で申し訳ないが、当該日は横浜国際に乗り込む予定だったが、職場のスキーに行くことになってしまった。日程の調整がつかず、非常に悔しい。その試合はビデオで振り返ることになるだろう。私にとって開幕戦は、3月21日、埼玉スタジアム2002で行われるセレッソ大阪戦だ。

2004.03.12