日光旅行(1)

先日(9月21日〜9月22日)、車で日光にいった。夏休みと紅葉シーズンの谷間で、特に目玉はないが、逆に安く済む。スケジュールと経済性をかねてこの時期にしてみた。土曜日を外して、日曜日宿泊だと平日料金になって安くなるし、平日なら観光地でもそこそこ空いている。平日に旅行に行ける身分がありがたい。
 
宿泊は日光市内か日光湯元か鬼怒川かで悩んだ。同じ温泉でも、日光より鬼怒川の方が安いし、観光を意識すれば市内が便利。ただ市内は温泉がでていない。鬼怒川だと中禅寺湖は行きにくい。ということで、月曜日に東照宮に行き、人出が多い日曜日は中禅寺湖付近に行こう、というプランを立てたことで、湯元泊とした。結果として、日曜日雨、月曜日晴れだったから、このプランは上出来だった。
 
21日は不運にも台風が来襲。豪雨でトラックの後ろや脇に位置すると、水しぶきで視界不良。スピードだしてトラックを抜くのが最適だが、前方も見えないから、前に走行する車に気をつけねばならない。幸い、前に走行する車が尾灯をつけていたから、事故をおこさずにすんだ。夜間はもちろん、昼間でも天候によってはライトやフォグランプを点灯すると、他車からぶつけられずにすむし、自分もぶつけなくてよい。
 
都内で一緒に行く人を拾い、首都高速から東北道へ。日曜日の東北道は空いているから、マイペースで行けるのもよい。東北道はガラガラで、雨も若干弱まったようだった。ただ、雨がふっているため、路面とタイヤの間に水が入り、完全に路面とタイヤが密着しないから、乾燥した路面を走るよりエネルギーの消費が大きかった。高速走行しても燃費が伸びないから、ややあわてた。自分が乗っているセリカは市街地なら9Km/lぐらいだが、高速なら12km/lぐらいいく。それが市街地レベルにまで落ちた。東北道では羽生SAと大谷PAで休憩した。首都高から走りつづけていたから、羽生周辺で一息入れるにはちょうどよかった。高速では運転中にタバコは吸わないようにしてるのもある。大谷PAは日光・宇都宮道路へ分岐する直前のPAとなる。大谷PA宇都宮市内にあるからか、PA全体が「餃子」だった。売店では餃子にからめた食べ物もあり、「餃子ドック」なるものを食べてみた。パンに餃子をはさんだものだ。本来は餃子の上にマヨネーズがのるのだが、マヨネーズが嫌いだから、マヨネーズはぬいてもらった。翌日の帰りも大谷PAに寄ったが、そのときは外で餃子の即売(焼いたり、ゆでたり、むしたりした餃子)がしてあったので、行きは雨だからやってなかったのだ。旅の途中で地域の名産を食べられるのも、旅の楽しみの一つだろう。
 
日光・宇都宮道路の終点はちょうど「いろは坂」の手前になる。いろは坂は上りも下りも一方通行。初めて走ったのだが、一方通行じゃないと危ない。ヘアピンカーブが多いから、2速で走るのがよい。3速だと回転数が足りないので、カーブでは2速、直線では3速がよいだろう。先に下りも話すと、たいてい2速のエンブレでブレーキ踏まずに回れるように設計されているのだが、オートマ車が多くなってから、エンブレせず、ブレーキを踏む車がよく目につく。ディスクブレーキは熱をもつと割れるので、坂道でブレーキを頻繁に行なうとブレーキが制御不能となる。普通に2速でブレーキ踏まずに回れるのを、ブレーキふみまくって後続が詰まると、イライラしてくる。オートマ車でもエンブレできるのに。あれはどうにかならないものか。話がそれてしまったが、運転するので精一杯だったけれども、紅葉も色づきはじめていた。まっかに染まるいろは坂もいいけど、渋滞せずに行けたのはよかった。いろは坂の途中に「明智平」というところがある。ロープウェイがあって、晴れていれば、奥日光の景観が眺められる。が、台風の影響で大雨で、まわりは霧だらけだったから、ロープウェイも景観もあったもんじゃなかったのが残念だった。
 
いろは坂を終えると、中禅寺湖湖畔になり、「華厳の滝」となる。華厳の滝は小学校の修学旅行以来となる。雨が降ってて、全体にもやがかっていたけれど、その存在感は圧倒的だ。1本の太い滝のまわりをのれんのように小さな滝がながれる。小さな滝があるからこそ、真中を流れる1本の太い滝の強さが引き出される。湯滝がより男性的であるとすれば、華厳の滝は男性的な強さの中にも優雅さが漂うような気がする。まさに華厳。見た目は華やかなだけれども、男性的な厳しさを内包する。
 
華厳の滝を出て、中禅寺湖湖畔を奥へとはしると、竜頭の滝にでる。竜頭は行ったことがなかったから、どんな滝だろうと思っていたが、ちょっと拍子抜けした。岩の両側に滝が流れている。真中に岩があって、滝が二股に分かれている。その岩の周りにはもみじがある。竜頭という文字があるから、よくよく見れば、たしかに竜の頭にみえなくもない。なんじゃい、こりゃ、と思いつつ、上流へと向かうとやや印象もかわってきた。坂道を登るにつれ、下方に中禅寺湖が見え始める。そう、竜頭の滝は中禅寺湖へ流れ出る川の一部分にすぎなかったのだ。なだらかな川面が中禅寺湖とリンクするにつれ、見事な景観を醸成する。これが紅葉シーズンなら最高かもしれない。
 
竜頭の滝を出て、国道を奥へと走ると、平坦になる。そこが戦場ヶ原だ。雨だったから寄らなかったが、晴れていればよいハイキングができただろう。戦場ヶ原を横目にさらに奥へと進む。国道から脇道を入ると、そこが湯滝だ。湯滝は豪快だ。幅広い面を大量の水が流れ落ちる。轟音とともに、水しぶきが空を舞う。あふれんばかりの水が重力に逆らうように前へとほとぼしる。前面からではわかりにくいが、横からみるとその豪快さがよくわかる。川がもつ水のエネルギーをほとばしらせる。直情的で、みなぎるパワーは男性的だ。華厳の滝のような優雅さはないが、有無を言わせぬ圧倒感の前に言葉を失う。
 
湯滝を出ると、すぐそこが日光湯元だ。日光湯元は湯の湖を見下ろす形で存在する。湯滝の源、湯の湖。山と湖にはさまれた湯元は閑静でのんびりした雰囲気だ。今回宿泊したのは日光グランドホテル。温泉の温度は熱くもなくぬるくもない。長湯できる温度。食事も豪華すぎず、量も適量。そう、いいすぎかもしれないけれど、洗練されてて、ムダがない。山にいて伊勢海老がでてこないところが良い。当所の特徴をよくわきまえている。また来たい、と思わせるところがある。雨中のドライブは精神的に疲れるし、肉体的にも疲れたので、温泉で体を癒し、眠りについた。