ファーストステージからセカンドステージへ

ファーストステージはオフト体制になってから最高位の6位で終了した。オフトは2年目の今季、常に5位以内に入り、優勝を争えるチームを作ると明言した。優勝を争うかは別として、5位以内という目標には勝ち点1足りなかった。しかし、オフトの公約はほぼ達成されたといえるだろう。無論、タラレバが通用しないことは承知しているが、3点のリードを守れなかったセレッソ戦、終盤に追いつかれたガンバ戦や神戸戦をものにしていれば、結果的に優勝争いをしているところだった。終了間際に追いつかれるという悪癖は前からあるが、最後の最後での集中力を増せば、優勝争いが可能であることが証明された。期待されたエジムンドや山瀬などのゲームメーカーが不在であっても、この成績を残せたのは大いなる自信につながるだろう。周囲のチームが補強等を行っていることを考えれば、レッズが昨年の戦力でこの地位にあることは驚きであるし、チームが地道に成長していることを示しているだろう。
 
今季、エジムンドの加入により大幅な戦力アップが考えられた。事実、サッカー専門誌でもレッズを優勝候補に挙げるところもあり、エジムンドとエメルソンのコンビネーションは他チームにとって脅威とされた。しかしながら、エメルソンはビザの発行に手間取り、2月の合宿に間に合わなかった上に、開幕1週間前に来日という愚挙を犯した。エジムンドは合宿に参加したが、3月末には退団した。と、期待された戦力はほぼ昨年と変わらない状態に戻ってしまった。ゼリッチはケガの回復具合がかんばしくなく、山瀬は計算どおりの回復具合だった。

主力の一部がケガ、あるいは、コンディション不足により、当所予定されていた戦力は見込めず、オフトもフロントもファーストステージの目標ダウンは致し方ないところだった。だが、そのケガ人の影響はいままでチャンスに恵まれなかった選手に光明を見出した。一人は長谷部である。昨季は出番に恵まれないまでもサテライトで我慢の日々だった。今季の開幕当初はエジムンド、山瀬と同じポジションの選手がおり、3番手の評価であり、ベンチを暖める日々が待ち受けていた。エジムンドが退団し、山瀬はいまだ戻らず、という状況が生まれ、長谷部がスタメンで使われざるをえない状況ができた。そのチャンスを見事にものにした。当初は若さがでる場面があったり、試合の終盤になると消えるシーンもみられたが、日を追うごとにパフォーマンスは上昇してゆく。その間にもU?20にも選ばれるようになり、彼の自信は増すばかりだ。先日のジェフ戦では山瀬よりもやや落ちるが、その地位を脅かすほどのパフォーマンスを見せた。どちらかが不在でもどちらかが同程度のパフォーマンスが見せられる。山瀬はオリンピック代表があるため、長谷部の成長は欠かせない。ファーストステージにおいて、長谷部は劇的な成長を遂げたといえるだろう。
 
セカンドステージから、ディフェンスの要としてロシア代表のニキフォロフがメンバーに連なることになっている。レッズにとってひさびさの大型センターバックである。ゼリッチが本来のボランチに戻り、ニキフォロフセンターバックになるだろう。ひょっとしたら、4−4−2のフォーメンションになるかもしれない。あるいは、4−3−1−2もありうる。DF3枚なら、坪井、ニキフォロフ、室井となる。DF4枚なら、山田、坪井、ニキフォロフ、室井、となるだろう。山田ならサイドはもちろん、センターもできる。山田が攻撃的MFになって、左サイドに平川もある。中盤も豪華だ。本来の位置にもどるゼリッチ、キャプテン内舘、五輪代表啓太、とボランチ争いも熾烈だ。啓太は今季ボランチだけでなくサイドハーフも経験した。攻撃力を加味すれば、啓太ははずせないだろう。2列目からのミドルを狙えるのは大きな武器だ。サイドに展開してもクロスがあげられる。内舘はDFもできるので、4バックの場合、左に入る可能性もある。その場合、山田は中盤に位置しよう。FWは永井とエメルソンの2トップの固定が予想される。成長著しい達也も90分となるとそのパフォーマンスは永井には劣る。永井はボールに触れる時間が長いほどその良さを発揮するため、先発タイプだ。

ケガ人の復帰や加入選手により、ファーストステージに比べ戦力は格段にアップする。第1節で戦力ダウンしている磐田をたたけば、波にのれ、栄冠をつかめるだろう。