第8節:対ジュビロ磐田

埼玉スタジアムで観戦した。
ワールドカップ後に、チケットが売れ始め、前日までにほぼ完売し、当日も、ダフ屋が出るほど。
2ヶ月ぶりのレッズということもあり、試合前から興奮しっぱなし。
求めていたものはこれだ!という、ワールドカップでは味わえないものだった。
禁断症状から、解放された気分だ。
試合も、ことに漏れず、白熱した試合。
レッズが先手先手で試合を進め、ジュビロが王者の意地で盛り返す。
試合開始早々のエメルソンの得点が効いた。
前半は、レッズはリードしているので、しっかりまもってカウンターを狙うパターン。
ジュビロは、90分というトータルの時間で考えたようで、確実に得点機会をうかがう。
レッズ守備陣は何回か危ない場面が見られたが、冷静に守備をしていたと思うし、ケガから復帰した山岸の安定度は素晴らしいものだった。
坪井と内舘が高原と中山をマンツーマンでマークし、井原がリベロでフォローする。
このスタイルがいたにつきはじめたようだ。
後半早々ジュビロの猛攻から、中山が同点ゴール。
残り時間とレッズの守備を考えれば、45分という時間が短く感じたのだろう。
この得点で、ジュビロが普段通りの攻撃を見せ始める。
中盤でパスがつながるようになった。
啓太が攻撃的MFに入ったが、役割がなかなかつかめないのか、精彩を欠き、中盤を支配されはじめたところだった。
だが、レッズ攻撃陣のスピードは磐田でも手を焼き(鈴木秀人の退場が好例)、PA付近でFKを得た。
そのFKをエメルソンが地を這うような鋭いシュートで再びジュビロを引き離す。
ジュビロもFKから同点ゴールを決め、再度追いつく。
この場面は問題だ。
前半から内舘が中山のマークについていたが、後半から、特に高原が交代してから、内舘が中山に振り切られるようになる。
中山を誉めるのは簡単だが、中山の動きを封じていただけに、この一連のプレーはもったいない。
エメのゴールから2分後であるから、集中すべき時間なはずなのに。
ここを守りきれば、勝利が見えたはずだ。
先手をとるも、その後のケア、精神的なケアが不充分だから、逆に相手に良いプレーをされてしまう。
藤田のVゴールもその例だ。
気持ちの切り替えがまだまだ。
王者(Jリーグで一番強いと思う)相手にリードしている状況での、対処の仕方が十分に理解していないのかもしれない。
この試合をモノにできていたら、レッズは一段上のステージに上がることができたかもしれない。
ただ、アリソンという攻撃の要を欠きながらも、いわば、攻撃の型をつくれない状況で、ジュビロに先手をとれたことは収穫だろう。