「国宝」展

ちょうど1週間前、4月7日に国立博物館の平成館で行われている国宝展を観覧しにいった。なにせ今年は文化財保護法制定50周年ということである。
 
感想はやはり「すごい」につきる。やはり国宝。全然違う。
 
とくに今回気に入ったのが「茶碗」。そのなかでも「曜変天目」がよかった。我が国にある3つのうち、1つが展示されていた。最近では第4の曜変天目があるという。第4の曜変天目は図録でみたが、これまた素晴らしい。展示されている曜変天目は中だけが細工されているが、第4の曜変天目は中だけでなく外側も細工されている。話が少しずれてしまったが、国宝の曜変天目もまたえもいえぬ美しさを醸し出していた。ちなみに第4の曜変天目は「MIHO MUSEUM」に所蔵されている。
 
曜変天目に劣らずよかったのが俵屋宗達の「風神雷神図屏風」である。中世に作られたもので、風神・雷神の躍動感あふれるこの作品は他を圧倒していた。しかし、風神雷神図屏風といえば尾形光琳。こちらもいい。
 
また、他に絵画では狩野派の絵画もよかった。行ったときには狩野松栄の「瀟湘八景図」、狩野永徳の「琴棋書画図」が展示されていた。ちなみに、狩野松栄は狩野永徳の父である。池大雅与謝蕪村との合作である「十便十宜帖」も当時としては斬新な内容であり、これもまた印象深かった。
 
他には、書跡、金工、刀剣、漆工、陶磁、染織、彫刻、考古などが展示されている。漆工では、法隆寺の玉虫厨子が展示され、観覧者が必死に玉虫を探していた。考古では火炎土器が展示され、縄文文化の躍動感を表していた。彫刻では主に仏像が展示されていたが、普段はみられない背面もみることができ、よかった。運慶の「大日如来像」が圧巻であった。
 
国宝展は5月7日までであるが、1週間ごとに展示変えをしているので注意しよう。
 
とはいえ、会期ごとに見る価値はあるだろう。