鎌倉散策

先日、鎌倉へと足を運んだ。台風接近で天気があやぶまれたが、好天に恵まれた。
 
私が住んでいるところから鎌倉へは、湘南新宿ラインで大船まで直通で、大船で横須賀線の逗子行きに乗り換えていける。
平時では、湘南新宿ラインといっても新宿・渋谷がせいぜいで、その先は未知の領域。
まあ、本数が1時間に1本なので、狙って乗らないといけないが。それにしても、新型4ツドア車両のすわりごごちの悪さはなんとかならないのか。
椅子が堅くて長時間座っているとしりがいたくなる。なにはともあれ、大船で一緒に行くKと合流し、逗子行きに乗り込んだ。
 
今回は、北鎌倉駅から鎌倉駅を歩く、というルートを選択した。この間には、東慶寺円覚寺明月院建長寺がある。建長寺以外はあじさいで名を知られているところだ。
 
東慶寺は、別名縁切り寺として知られている。
これは、江戸時代に離縁をするには寺の承認が必要であったからで、この寺は家康の孫で豊臣秀頼に嫁入りした千姫が入山したことでその影響力があったからだそうだ。
それまでは鎌倉幕府の執権を担った北条時宗ゆかりの寺であった。
ここの名物はあじさいのほか、花菖蒲や岩たばこなどがある。あじさいは紫が多く、垣植えしてある。
岩たばこはここにくるまで知らなかったが、岩壁に群生していた。
葉がたばこに似ており、紫色の小さな花を咲かせていた。
 
円覚寺は、北鎌倉駅の目の前にある。
この寺も北条時宗が建立した。
舎利殿と洪鐘が国宝に指定されている。
あじさいが有名とされているが、東慶寺ほどではなく、こわきにあじさいが植えられているだけである。
それでも、重厚な寺の雰囲気の中で、あじさいが咲いているのをみると、ほっと一息つけるところが良かった。
 
明月院は、別名あじさい寺といわれるほど、あじさいだらけだ。
青いあじさいばかりだが、意図的にその色で統一しているとのこと。
小道が多く、初めていくと、あじさいで作られた迷路の中にいるようだ。
すばらしいあじさいを写真に収めようと思ったが、現像してみるとなかなかうまくいっていない。
それでも、葉のみどりとうっすら青く色づいてきた花のコントラストはまずまずの出来かなと思う。
 
建長寺は、あじさいとあまり関係ないが、その威容は鎌倉で群を抜く。
山門からして、規模がちがう。
仏殿、法堂と進むにつれ、静寂とした雰囲気が濃くなる。
法堂には、小泉淳作氏が1,2年の年月をかけて作成した雲龍図がある。
行ったときはこの雲龍図が公開されており、天井に龍が漂う光景は圧巻だ。
法堂をさらに奥へと進むと、方丈がある。
方丈は修行する場所で、その脇には庭園がある。
方丈から庭園を眺めることができ、その光景はやすらぎを得るものだった。
見ていると、うとうとしてしまうくらい、気持ちよかった。
建長寺の奥には半僧坊があり、階段をつたって登る。
そこをさらに登ると展望台になっている。
まさに山を登るというイメージだ。
汗をかきながら登ったあかつきには、鎌倉を一望できる展望台へとたどりつく。
涼風がたなびき、到達するまでの疲れがいやされる。
山形にある山寺も似たようなイメージだ。
苦労をしたぶん、美しい光景を得られるし、すがすがしさも得られる。
 
今回の鎌倉を訪ねるというプランは、同行したKの発案だが、ひさびさに訪れる鎌倉にリフレッシュすることができた。
時間の流れが違い、都会のせせこましさもなく、ゆったりとした時間を過ごすことができた。
今度は長谷方面にも足を伸ばし、鎌倉大仏を拝んでみたいと思った。
 
東慶寺http://www.tokeiji.com/
建長寺http://www.kenchoji.com/